- Feb.18
2009
- 今年の早稲田・慶応理工
一言で言うとどちらもやさしくなりました。そして、入試の傾向がどちらも少しずつ変化しています。
慶応理工学部では昨年に続き第1問が小問集合で昨年同様に簡単な回転体の体積の問題もありましたが、回転体の体積は慶応理工にしてはこれまでは珍しいもの でした。A2(第2問のこと)は、「定番」の確率と漸化式の問題です。最後の期待値が式が与えられており、ただ計算するだけの問題になっています。今年の 慶応理工全体に言えることですが、親切すぎる誘導があり(A3なども)問題の中身がよくわからなくても、指示されたものをただ計算すれば答がでてしまうも のが多くなっています。最後の記述のB1(第5問のこと)は狭い解答スペースにどこまで書けばよいのか疑問が残ります。慶応に限らず早稲田の場合も1次変 換による図形の像は確実に出せないといけないようです。
早稲田の場合、昨年がかなり難しいものでしたから、その反動で簡単な問題が多いものでした。また、昨年は体積の問題が大問で2題出題されるなど、関係者 に「問題の調整はしていないの」なんて言ってみましたが、それが通じたのかどうか今年は「バランスのよい」出題になり、言い換えると「早稲田理工の数学 III重視の問題ではなくなった」ようです。また、今年の第4問は実は特記に値するもので(問題自体はやさしい)、昨年の第1問の体積の問題のように、 80年代の受験生がよく勉強したような内容でした。(古典への回帰) また、早稲田理工はこれまでは「予選決勝法的な考え方」をする問題はほとんど出題してきませんでしたが、ついにこのような問題も出てしまいました。
- Jan.22
2009
- 蛍雪時代
の 3 月号に早稲田・慶応の入試特集を書きました。受験する人はぜひとも参考にしてください。
本当はかなり詳しく傾向と出題予想を書いたのですが、字数制限で割愛をすることになりました。いずれここでも発表してみたいと思います。
- Jan.01
2009
- 新しい指導要領
先日 2012 年度から実施される指導要領が発表された。 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/081223.htm
重要な件は、
- 数学 C がなくなる。つまり、数学 I, II, III, A, B だけになる。
- 行列が完全に消える。(だから、「行列の延長」と称して 1 次変換はもう出題されない。)
- 複素数が復活 (ということは、「回転」はまた、複素数を使えということか。)
- 数学 I に「データの分析」という、今まで数学 B にあった統計の話題が必修になる。
である。
- Nov.01
2007
- 「分野別受験数学の理論問題集」について
「分野別受験数学の理論問題集」
全7巻
1. 数と式 (既刊)
2. 関数と微分法・積分法の基礎 (執筆中)
3. 場合の数と確率 (既刊)
4. 図形と式・ベクトル (執筆中)
5. 数列 (極限を含む) (既刊)
6. 微分と積分 (既刊)
7 行列・1次変換・2次曲線 (既刊)
特徴
- 問題を系統的に配列した。
問題間の有機的な関係によって問題を整理して系統立てました。
- 解答を詳しくした。
a. 他書のほとんどよりも解答解説の量が違います。今まで問題集の多くはページ止めの原則(問題文・解答・類題をすべて1ページの中に入れるという原則)のため計算が省略されることも多いのですが、解答解説は原則として見開きとし、解答の省略はほとんどありません。
- 学習者の弱点がわかるように工夫した。
例えば、「場合の数と確率」であれば「確率クリニック」が用意され、問診形式で学習者に何が足りないのかを各自で(ある程度の範囲で)わかるようにしました。これにより効率よく学習が進められることでしょう。
- Oct.01
2007
- 4. 解説動画について
解説動画については以下から入れます。読者以外の方も見ることができます。もちろん無料です。
ただし、一部内容は本冊の解説を読んでいなければわかりにくいこともあります。各Fileは10M程度ありますので、今のところPCからでなければ苦しいでしょう。(じきに携帯からでも見ることができるようにする予定です。)
***
1. 計算革命とは
2. なぜ「革命」か
3. 動画を見る前に
4. 解説動画について
- Oct.01
2007
- 3. 解説動画を見る前に
以下は、計算革命の注意書きに書かれていることを簡単にまとめたものです。
- 計算革命は計算の能力、すなわち「正確さ」「速さ」を鍛えるものです。そのために、暗算力を鍛える目的のための独自の計算方法を紹介してあります。したがって、実戦的には
「危ないと思ったときは、ゆっくりと安全な計算した方がよい場合がある。」(全般的に)
「記述の答案であれば、説明をした方がよい場合もある。」(第3,9回)
「『普通』に計算した方が答案としてはよい場合もある。」(第7回)
といったものもあります。
- ここで扱った計算ができるかどうかが問題なのではありません。
***
1. 計算革命とは
2. なぜ「革命」か
3. 動画を見る前に
4. 解説動画について
- Oct.01
2007
- 2. なぜ「革命」か
まず、本書自体が革命的であると(勝手ですが)考えているからです。どこが革命的かというと
- 本書のような計算の精度をあげることを目的とした参考書はいままでになかった。これまでの問題集は問題の解説だけであったのに対し、個人のスキルを上げることを目的とした書であるため。
- ウェブでの動画説明を参考書の中で最初に入れた。(これは、そのうちの多くの問題集が採用するでしょうが、それに先かげて行ったということ。)
です。しかし、
本当に革命を起こしてもらいたいのは読者の皆さんなのです。
革命というと、それまでの社会階層がすべてなくなったり、上流階級と中流階級あるいはそれ以下が逆転したりするイメージがあります。読者の中には今までに どうしても試験で勝てなかった人達がいることでしょう。そこで、ほとんどの人にとって未開拓な能力である「計算力」を鍛えることによって逆転をはかっても らいたいというのが真の「革命」の意味なのです。
***
1. 計算革命とは
2. なぜ「革命」か
3. 動画を見る前に
4. 解説動画について
- Oct.01
2007
- 1:計算革命とは
「計算革命」とは計算の方法を学ぶことが主たる目的ではなく、計算を速く、正確にこなす能力を見につけること、これがこの本の真の目的なのです。
受験を控えた高校3年生、高卒生から毎年
- 試験で見たことのある問題(あるいは解いたことのある問題)が出たのに、最初に計算ミスをしてほとんど0点でした。どうしたらいいでしょう?
- いつも時間が足りなくなるのですが、何かいい方法はありませんか?
といった質問を受けます。これらの問題点は計算方法を「知っているかどうか」ではなく、計算を「正しく追行出来るか」ということ、つまり計算方法の知識ではなく「計算の精度」の問題なのです。これは、
アナウンサーが原稿を正しく間違えずに読む能力
ピアニストが間違えずに曲を弾く能力
と同等です。「たまたま間違えた」計算であってもその「たまたま」の頻度が高ければ困るということなのです。
では、これに対する答として
「やるしかないよ」
「間違わないように努力しなさい」
と言われても生徒にとっては何の解決策にもなっていません。そこで数年前から駿台を実験場(?)とし計算の能力開発に取り組んできました。いろいろと取り組んでみた結果、最も効果的であったものを土台にし今回の計算革命が完成しました。主なコンセプトは
- 一日5分程度の計算を習慣化させる。(計算力は急にはつかない。)
- 初心者の計算ではなく、慣れた人の計算を定着させる。(慣れた人は簡単な多項式の割り算まで縦書きでやらない)
- 暗算力を鍛える。(多少の計算なら一つ一つ書かなくても先が読めるようになる。)
ことです。
(構成)
計算革命は全13章からできていて、各章は一週間7日単位になっています。同じテーマで7日間5分程度の計算を行うわけですが、日に日に負荷をかけるようにして、一日目は易しく、7日目は(同じテーマであっても)結構難しくなっています。
また、計算力を鍛えるために計算するものはどんなものでもよいというわけではありません。適切なものを選び、また、試験のときに活かせるものなどの基準から題材を選びました。
(期待される効果)
「計算革命」の方法で計算が速く正確になることによって
- わかった問題はほぼ確実に点になる。
- 試験中に考える時間が増える。
- わざわざ書かなくてもその先にどのような計算が現れるかが見えるようになるため、方針がたてやすくなる。
といった効果が期待されます。
[注]
計算革命は、一度にまとめて行うのではなく、毎日一つずつ(2ページずつ)とり組んでください。13週分+補充問題がありますからピークが入試直前に直前になるように計画的に使用してください。せっかく 13 週分解いてもしばらく放置しておくと、また元にもどってしまうかもしれません。
(余談)
実際、著者である私も毎日電車の中で計算練習をしています。5分程度で終わるので急行の一駅程度で終わります。必ずしも電車の中で解く必要はありません が、毎日同じ時間帯に解くように習慣付けることをお勧めします。駿台の教室でこの前段階のものを配布しているときは大変評判がよく、きちんと方法にした がって練習している人からは試験のときにその効果がわかったという報告も受けています。
小さなことの積み重ねがいかに大きな力になるかがわかってもらえることと思います。
***
1. 計算革命とは
2. なぜ「革命」か
3. 動画を見る前に
4. 解説動画について
- May.27
2006
- 「駿台受験シリーズ 分野別 受験数学の理論9 行列」訂正一覧
「駿台受験シリーズ 分野別 受験数学の理論9 行列」
第1版の訂正
- p. 80 (誤) 等式を証明せよ。
(正) 命題を証明せよ。
- p.. 81 下から 6 行目 (誤) C^2=0 (正) C^4=0
- p. 143 下から 5 行目 (誤) 2 線分の交点の像は 2 線分の像の交点にうつる
(正) 2 線分の交点は 2 線分の像の交点にうつる
- p. 193 下から 6 行目 (誤) t=0 の場合も同様に
(正) t ≠0の場合も同様に
- p.90 2 行目 (誤) a=0, b=0
(正) a≠0 および b≠0
(2006 年 5 月 27 日判明分)
- p.87 下から 2 行目
(誤) X^2=I (正) X^2=±I