新課程数学の基本
新課程カリキュラムによる高校数学の授業が 2012 年 4 月から開始され、1 年 8 か月が経過した。そろそろ、新課程入試が気になるところかもしれないが、ここで新課程のおさらいをしておこう。新課程の特徴はいろいろとあるので、今回からシリーズにしていこうと考えている。
数学 A に関して
数学 A は
「(1) 場合の数と確率」「(2) 整数の性質」「(3) 図形の性質」
の 3 項目からなり、ここから任意の 2 項目を選択し 2 単位が与えられる。
例えば、ある学校では (1) と (2) を選択してその学校の生徒は数学 A を学習したことになれば、別の学校では (1) と (3) を選択して数学 A の単位を所得することになる。
ところが、ここに一つの問題が起こった。それは、数学 A を試験科目に含める多くの大学が入学試験の数学 A に (1), (2), (3) のすべてを出題範囲に含めてしまったからだ。おそらく文科省としては気分はよくないであろう。自分たちの決めたルールに従わない大学側を疎く思い、「ペーパーによる試験の廃止」で強制的に管理下に置きたくなるとしたのであればそれは危険なことである。
さて、現実に目を向けると、いくら数学 A の単位を所得できたとしても大学入試に不足するようでは困るのは高校現場である。「高校は大学進学のためにあるのではない」という時代錯誤の発言をする人もいるであろうが、それでは高校生が被害者になるだけである。数学 A はこのような状況にあり高校現場では
「数学 A を 3 単位分の時間を配当する」
「数学 A にはとりあえず 2 単位分の配当時間を与え、残りを補講などを入れて補う」
などの対策を行うところが多い。
これから、高校を選ぼうとしている中学生の保護者は、この数学 A をどのように扱っているかを調べてみることをお勧めする。学校の数学に関する熱意がある程度量ることができる。
(「数学 A に関して」つづく)