報道の質
最近は報道の質の低さに残念に思うことが多い。
2月26日午前に北方領土に関する番組があった。もちろん、北方領土を話題に取り上げること自体は結構であるが、そこにいるコメンテータ達が不勉強であったのが残念でならない。
もちろん、全員が不勉強というわけではないが、中には元プロ野球選手のご婦人という方がいて、「昨日調べて来ましたが・・・・」と言われたときは愕然と来た。
その程度でコメンテータが務まるのかと思った。また、出演させてよいのかとも思った。
しかし、一体、あの中の何人が、北方領土を実際に見たことがあるのだろうか。
北方領土は北海道の根室支庁にある野付岬に立つと国後島が目の前に見える。
知床半島からは国後島の山々が長く連なっているのがよく見える。
あれを見て歴史を勉強すればまた発言が変わるであろう。
僕は北方領土には、普通の人よりはかなり詳しいと思っている。(何度も近くまで行き、元島民の人の話も聞いた。樺太の話もあるが、それは別の機会に。)
ただ、北方領土については今これ以上ここで語るのは控えようと思っている。
しかし、番組についてであるが、誰にでも言えるようなコメントしか残せないのであれば、もっと他の人を探した方がよいと感じた。
次に、その日の夜に日本中を騒がした京都大学文系学部入試漏洩について
テレビの中では、興味の対象は「誰がやったか」であり、平成の「2・26事件」としてにわかに注目を浴びた。まあ、誰がやったかが気になるのはわからなくもない。
その後で協力者の存在も触れる場面があった。
例えば、yahoo の知恵袋にのせてあるものの中には 3 分後に解答を得ているような表現もあった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110228-00000073-san-soci.view-000
このことについては単なる反応の早さだけから、「専門的な判断」をせずに「素人判断」をして協力者の存在を記事にしたり、テレビ番組を作ったりしているものもあった。
そこで話をしている人、コメンテータと呼ばれている人は「素人」である。
よく調べてみると実は最初の解答は役に立たないものが少なくない。このことはあまり報道されていない。
次のようにまとめてみた。
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( ) 内の数字は質問されてから答えるまでの時間 (単位は分)
◎・・・・親切な正しい解答
○・・・・正しい解答
△・・・・方針を述べただけ (役立っていない)
×・・・・誤っているもの
「最初の回答」がなく「ベストアンサー」があるものは、「ベストアンサー」が「最初の回答」である。
最初の回答 ベストアンサー
第 1 問(1) ○ (32)
第 1 問(2) △ (3) × (156)
第 2 問 ◎ (65)
第 3 問 △ (27) ○ (39)
第 4 問 △ (26) ○ (78)
第 5 問 ◎ (107)
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これらの解答の出来具合の差を考えれば、「協力者」ではないのは明らかであると思う。
※例えば第1問の(2)の最初の回答は冷たく突き放すものである。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1256265272
これを確かめずに、意見を言っている人達もいた。
今回は、偶然自分にとって詳しいものが続いたが、日本の報道のレベル、番組制作のレベルの低さに驚くとともに残念な気分になった。