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おかえりなさい

 私は, 受験数学の理論「2次曲線」の巻末にもあるようにちょっとした天体マニアである。そこで, 最近発見したことを記そう。

 惑星の太陽からの平均距離に関する法則としてチチウス・ボーデの法則というのがある。簡単に言うと, 太陽系の内側から n 番目の惑星の太陽からの平均距離 d(n) は地球を 1 とすると,
  d(n)=0.4+0.3×2^(n-2)
となるものである。何故こうなるのか? それは経験則にすぎないのであるが, 歴史上は結構役に立っている。詳しいことは書かないが、この法則によって, 1781 年に天王星を, 1801 年に小惑星のケレスを発見したのであることをとりあえず言っておこう。
さて, 天王星が発見された後で様々な観測から天王星の外にもう一つ大きな惑星があると予想された。まぎれもなく今日我々が海王星と呼んでいる天体である。当時の人々は必死になって探しついに 1846年9月23日にジョン・アダムス達によって発見された。世紀の大発見から月日が流れ, 今では, 公転周期が 165.2269 年, すなわち 165 年と約 83 日であることも知られている。「1846 年」「165 年」と聞いて何か思わないだろうか。そう,
   1846+165=2011
である。83 日分も発見日から追加すると、今年の 12 月 15 日ころに海王星は再び発見された場所に戻ってくることになる。海王星にしてみれば「ここで見つかっちゃった。」という場所に戻ってくることになる。今年はそういう年。

  おかえりなさい。海王星!

This entry was posted on 火曜日, 1月 18th, 2011 at 3:50 PM and is filed under その他. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can leave a response, or trackback from your own site.

One Response to “おかえりなさい”

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    […] This post was mentioned on Twitter by 村上拓也は森本稀哲を応援します. and 澤村 圭一, 清 史弘. 清 史弘 said: 調子に乗って、もう一つ HP を更新しました。http://math.co.jp/blog/?p=534 タイトルは「 […]

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