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上手な嘘と下手な嘘

例えば、みなさんが自分では面白いと思っている小説が書けたとしましょう。ここで、あなたは世間ではちょっとだけ名の知れた人、少しだけ尊敬される人とします。例えば、○○高校の先生だとか、小さな会社の社長さんとか。
その小説に自信をもって、それをある出版社にもって行ったとします。(実は出来は相当悪いかもしれません)

さて、出版社の担当者に見せたところ、その担当者は「成り上がり者の小説なんて出版したくない。でも本当のことを言うと失礼になる」と判断し、最初から出版する気は全くないとします。しかし、失礼に断りたくはないとも思っていたとします。
そのときの状況にもよりますが、気の弱い担当者、あるいは無責任な担当者は

出版できない理由A: 書いた人間が成り上がりものだから

を言わないで、

出版できない理由B: 小説にしては登場人物が少なすぎる。
出版できない理由C: 今は、当社は出版予定作品を多く抱えていて、遅くなってしまう。
出版ではない理由D: 持ち込みの場合は会議での承認に時間がかかる。

などなど、本意ではない理由を多くあげたりします。B, C, D があるから諦めてくれというわけです。しかし、「それならば、B, C, D をクリアーすれば大丈夫なのか」と思う人もいるはずです。そこで、数ヶ月後にみなさんは努力の結果、 B をクリアーし、 C, D を覚悟して出版社にもっていったときに、本当の理由が A であることを別の担当者に聞かされたとします。そのとき、みなさんはどう思いますか。

このようなことが最近、自分自身にも他の人にもよく見受けられるので少し書いてみました。下手な嘘はときに人を大きく傷つけると。自分自身も人を傷つけないために。

ちなみに、出版社を例に出しましたが、私と関わりのある出版社との関係はどこも良好です。真近の例を出すと最近は必要以上に過激に反応する人達もいるのでかなりぼかしました。
今日届いた封筒を見ての感想です。

This entry was posted on 火曜日, 3月 23rd, 2010 at 12:00 AM and is filed under その他. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can leave a response, or trackback from your own site.

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