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Mar.02
2011
京都大学文系入試問題の漏えい事件について

 すでに皆さんもご存じのことと思いますが、私も2011年2月26日の23時ころのニュースを見て大変驚きました。
この件については、受験生、大学関係者、その他関係者にとって大変残念なニュースです。

 試験時間内に問題を送り、その解答をネット上で受け取るというものですが、問題をどのような方法で外部に送られたのかについてはすでに多くの人がコメントを出しています。
一方、誰が解いたのかについてですが、複数の協力者がいたのであろうということにはほぼなっていますが、それではその人がどのような人であるかはまだあまり触れられていません。
そこで、参考資料として私が自分で解いて時間を計ってみました。

以下のデータについて
・すべて初見である。
・殴り書きで書きあげた時間。答案としては通用するものの、雑だと言われる可能性はある。
・私は多分この業界の中でも解くのと計算はかなり早い方ではないかと思う。
 (偉そうですいません。一応、これを資料として使ってもらうために記します。また、もっと早く解く人はいるでしょうが、このくらいが限界だと言うことです。)
 ちなみに今年の東大の理系の問題は80~90分の間で解き終えた。また、組合せの数 nCk の n,k のひとけたの場合はすべて暗記しているので、
 解答の中で使われる _9C_2 などは計算で求めていない。
・殴り書きで書いたものを説明するためyahoo の知恵袋にあるような形式で書くと、どの問題もさらに 5 ~ 15 分くらいはかかる。

となっています。それでは解くのにかかった時間です。

第1問(1) 3 分
   (2) 4 分
第2問 8 分
第3問 2 分
第4問 7 分
第5問 12 分

これを参考に、大学生が解いたのか、それともプロの人が解いたのか、複数の人が解いたのかを考えてもらえるとよいと思います。
意見, 質問があればどうぞ。

Feb.26
2011
2月27日実施の駿台教育研究セミナーについて

今年度の春期駿台教育研究セミナーについて
2 月 27 日実施のセミナーの中で行われる「今年度の入試演習」では,
今のところ、
東大理系第 1 問、第 3 問、第 5 問を扱う予定です。もちろんこれ以外にも追加する予定です。追加する大学は最低でも京大、早稲田、慶応を予定しています。
第1問はどのようなアプローチが最短か、
第3問(時間があれば第5問も)は趣旨を理解すればとりあえず最終結果は一瞬でわかってしまう
という話にしようと考えています。

参加者は上記の問題をあらかじめ目を通してもらえると助かります。
問題文はここにあります。
http://mainichi.jp/life/edu/exam/daigakubetsu/graph/toudai1/sugaku_b/1.html

当日は楽しみにしています。
 清 史弘

Feb.23
2011
お待たせしました。読者感謝フェアーです。

お待たせしております。今年も読者感謝フェアーとして、東大の予想問題を作ってみました。

問題は、
「受験数学の理論」を所持している方は 東大入試模擬問題.pdf の方を見てください。 Password は 発行者の氏名のうち名前の部分をすべて小文字のローマ字で入力してください。(例 takesi)

「数学の幸せ物語」を所持している方は、東大入試模擬問題10.pdfの方を見てください。Password は福山幸一の母親の名前をアルファベット小文字で入れてください。(例 sayuri)

解答についても同じです。
「受験数学の理論」を持っている人は、東大入試模擬問題解答.pdf
「数学の幸せ物語」を持っている人は、東大入試模擬問題10解答.pdf
を手に入れてください。Password は同じです。

なお、解答は略解の部分もあります。

*****

数学教育研究所スタッフです。ご指摘がありました解答の図説を追加致します。こちらはパスワードはありません。
東大模擬問題解答の図.pdf

Feb.11
2011
新曲「e (自然対数の底)」

今度は、e (自然対数の底・ネピアの数)を曲にしてみました。

「e」音源(mp3データ)
新曲「e」楽譜

e=2.71828・・・・・ですが、これを「三角関数」の場合と同じように、音に対応させて曲にしてあります。
e を小数表示したときの小数点以下 52 桁まで使ってあります。
楽しんで頂けると幸いです。

Feb.11
2011
「三角関数」の答

 「三角関数」は聞いてみましたか。これは、数字に音を対応させてあります。
バイエルなどピアノの初歩を習うとき、指使いが書かれてあります。ピアノの初歩の段階では
  ド・・・1, レ・・・2, ミ・・・3, ファ・・・4, ソ・・・5
のように対応しています。小さな子は最初のうちは楽譜を覚えずに指使いの数字で音を覚えてしまいがちで、ちょっとした問題になることもあります。
 ここでは、数字と音を対応させる発想で、この前後にも数字を追加し、下から、
0→シ、1→ド, 2→レ, 3→ミ, 4→ファ, 5→ソ, 6→ラ, 7→シ, 8→ド, 9→レ
のように低い音から数字と音を1対1に対応させました。

「三角関数」の楽譜を見る(pdfデータ)

三角関数の楽譜を見ていただけるとわかりますが、
sin0゜=0.0000, sin 10゜=0.1736, sin 20゜=0.3420, sin 30゜=0.5000
sin 40゜=0.6428, sin 50゜=0.7660, sin 60゜=0.8660,
sin 70゜=0.9397, sin 80゜=0.9848, sin 90゜=1.0000
の小数部分(sin 90゜だけは整数部分)が2拍分になっています。

この小数部分を使って曲にしたのが「三角関数」でした。

Feb.09
2011
新曲「三角関数」

こんな曲を作ってみました。タイトルは三角関数。25秒くらいの短い曲です。音質は悪いのでよくなるように努力しようと思います。明日か明後日に動画にしようと思っていますが・・・・。

新曲「三角関数」を聴く(mp3データ)

「三角関数」の楽譜を見る(pdfデータ)

さて、この曲のどこが三角関数なのでしょうか。この段階でわかる人いるかな。

Jan.23
2011
誰か名付け親になってくれる人はいないだろうか

 学生のとき、数学科の仲間 6 人くらいで車 2 台に分かれ長距離を移動していた。何のために移動していたのかはちょっと思い出せない。当時は携帯電話は普及されていないので、2 台の車が離れて連絡が取れなくならないようにとトランシーバーを買った。ところが、それほど 2 台の車の距離は離れなかったので、トランシーバーの出番はなく、せっかく買ったのにもったいないからと言って、トランシーバーを使って数学者の名前に限定してしりとりを始めた。もちろん、「ん」で終わる名前をあげると負けで目的地に着いてからペナルティーはあった。すると、数学者の名前で「ん」で終わる人は意外と多い。
「リー・・・・(リーマン)じゃなくて(少し慌てて)、ノイマン! 」
と言った感じで進行していった。最近ならばペレルマン(ポアンカレ予想を解決した人)が NG ネームであろうか。

 さて、話は名前つながりではあるが全く変わる。定理、公式、あるいはそれを解決するための道具に適切な名前や記号を与えることは重要である。(ちなみに、私が考える記号考案の名人はライプニッツである。)
 高校数学の中に三角関数の「和を積に変える公式」(和積公式) というものがある。例えば、

  sin A +sin B = 2(sin (A+B)/2)(cos (A-B)/2)

というものである。確かに sin A と sin B の和が sin (A+B)/2 と cos (A-B)/2 の積になっているのでこの名の通りである。ところが、高校数学の数学 II で現れるこの公式を使う問題のほとんどは「和を積で表す」ことが解ける原因ではない。例えば、

 「A+B=60゜, A≧0゜, B≧0゜のとき sin A +sin B の最大値を求めよ」

の場合は、和積公式を使えば、その後は簡単である。しかし、「和が積」で表されることよりも、A+B が一定なので「 A と B の正弦(sin)で表されていたものが (A+B)/2 と (A-B)/2 の正弦(sin)、余弦(cos)で表される」ことが解ける原因である。(数学 II でこの公式を使う場合は A+B, あるいは A-B が定数である場合がほとんどである。)
したがって、「和積公式を使って解けた! 」と言うと、何か誤解を与えるような気もする。もちろんこの公式を「和積公式」というのは間違いではないが、使い方と名前がずれているので、何かよいサブネームはないかと考え続けている。その場合

・使い方の実態とあっている。
・あまり長い名前ではなく、短くてすっきりしている。
・記憶に残りやすく、呼びやすい。

などの条件にあてはまるものがよい。「誰か名付け親になってくれる人はいないだろうか」と思うがまずは自分で考えようと思って数年が経過した。これを最初に思ったのがトランシーバーを使ってしりとりをしていたときである。

※積を和に変える公式も数学IIの問題の場合は上と同じ事があてはまる。しかし、この公式は数学IIIの積分で、今度は本当に「積を和に変えるため」に使っているのでその場合は名前と実態はあっている。

Jan.21
2011
一つ間違えば「差別」だった。

 人を深く傷つけることの一つは「差別」であろう。
 この「差別」であるが, 一般には「差別はよくないこと」と言うもののその「差別」の内容はいくつもの種類がある。ちなみに, ここでは「差別」の道徳的な話をしようとは思っていない。

 教育の場で起り得る「差別」は次のようなものであろう。
 ある問題を出したときにそれを答える 2 人の生徒がいた。その 2 人はほぼ同じ解答を用意してきた。ここで, 先生は一人には「よくこんなの思いついたね」と言い, もう一人には「こんな方法しか思いつかなかったの」のように異なる評価をくだした。そして, しかもこの 2 人がお互いにどのような評価をされたかを知ってしまった。このような場合である。もちろん, 2 人のその時点での学習到達度によって, 同じ解答を書いても誉め方は異なることはあるだろう。しかし, それを生徒が理解できるかどうかはわからないので十分注意を要することである。
 このようなことは何も先生と生徒の関係だけではない。上司が同じ仕事を同じようにこなした 2 人の部下がいたときに, 一方は評価し, 一方評価しない場合などもそうである。例えば, ある上司のお気に入りの P さんと, この上司が「こいつは仕事はできないと決めつけている Q さん」に対して, (同じ結果を残したにも関わらず)
「さすが P さんだね。多少欠陥はあるけどこんなのはたいしたことないよ。それよりもよくこんなことを考えたね。」
「Q さん, これ欠陥だらけじゃないか。欠陥があるって気がつかなかったの?」
と言ってしまうなど。
 これは, Q さんを傷つけ, Q さんのやる気を奪ってしまう。
 
 私は, 教育者とか組織の中で人の上に立つ人には, 人を自分の偏ったフィルターを通さずに見る「目」が大変重要であると考える。それが上のような「差別」をなくすために必要なものである。

 私は, 自分の著書「数学の幸せ物語」の中で, ある生徒の台詞として次のように言わせてある。
「よい医者の条件の一つとして, 次のようなものがある。
今, 100 人の似たような症状をもつ患者がいたとしよう。最初の 99 人は軽い腹痛の症状であったので, 薬を 1 つ 2 つ出して帰ってもらってもよかった。ところが, 100 人目は同じような症状であっても実は大変重い病気にかかっていた。
 そんな状況のもとで, 100 人目の患者も同じような症状だから大丈夫と自分の思い込みできちんと調べないで判断してしまうのは, まだまだ修行の足りない医者である。これに対し, 100 人目の患者もしっかりと診察できる医者は信頼してよい。」

 教育者の立場に置き換えて言うとこんな感じだろう。ある問題を出し, その後で 100 人の人が質問に来た。質問者の 99 人までは自分の予想していたもので, 本人の不注意などによるものであった。ところが 100 人目は質問の内容は似ていても, 実は問題の方のミスだったとする。こんなときに, 「どうせ同じ質問だろう」と決めつけて追い返すように対応してしまうのは, まだまだ修行が足りない教育者である。99 回同じ話があったあとでも 100 回目をしっかり見極めることができる人はこの件についてはしっかりとした教育者である。
 最初にあげた「区別」とは少し異なるものであるが, 最初の「決めつけられて追い返された対応」を受けたのでは, 生徒によくない影響を与えてしまうことになりかねない。
 このような対応は, 意外と差別した側は気がつかないので, 自分自身も注意しようとは常々思っている。

 ところで, 話は少しずれるが, 数学の中で「差別」が語源である用語がある。それは何だかご存じであろうか。それは, discriminant である。(「差別する」は discriminate, 「差別」は discrimination ) 教科書では「判別式」とある。まあこの語自体は 「差別」とまで言わないまでも「区別」という意味から作られた語なのかもしれない。その辺は私は断言する知識をもたないが, ある有名な数学の先生が「discriminant? あ, 『差別式』のことね」と言っていたのを思い出す。英語を日本語にあてるときに, 妙な日本語をあててそれが定着することがあったり, また, operator のように立場で複数の訳語をあてる(数学では「作用素」, 物理では「演算子」)場合もあるが, この discriminant には「差別式」ではなく, うまく「判別式」という用語をあてたものだと思えてきた。一つ間違えば「差別式」になっていたのかもしれない。

Jan.18
2011
おかえりなさい

 私は, 受験数学の理論「2次曲線」の巻末にもあるようにちょっとした天体マニアである。そこで, 最近発見したことを記そう。

 惑星の太陽からの平均距離に関する法則としてチチウス・ボーデの法則というのがある。簡単に言うと, 太陽系の内側から n 番目の惑星の太陽からの平均距離 d(n) は地球を 1 とすると,
  d(n)=0.4+0.3×2^(n-2)
となるものである。何故こうなるのか? それは経験則にすぎないのであるが, 歴史上は結構役に立っている。詳しいことは書かないが、この法則によって, 1781 年に天王星を, 1801 年に小惑星のケレスを発見したのであることをとりあえず言っておこう。
さて, 天王星が発見された後で様々な観測から天王星の外にもう一つ大きな惑星があると予想された。まぎれもなく今日我々が海王星と呼んでいる天体である。当時の人々は必死になって探しついに 1846年9月23日にジョン・アダムス達によって発見された。世紀の大発見から月日が流れ, 今では, 公転周期が 165.2269 年, すなわち 165 年と約 83 日であることも知られている。「1846 年」「165 年」と聞いて何か思わないだろうか。そう,
   1846+165=2011
である。83 日分も発見日から追加すると、今年の 12 月 15 日ころに海王星は再び発見された場所に戻ってくることになる。海王星にしてみれば「ここで見つかっちゃった。」という場所に戻ってくることになる。今年はそういう年。

  おかえりなさい。海王星!

Jan.17
2011
清がラジオ出演しました

数学教育研究所スタッフです。2011年1月15日に清が、
横浜のFMラジオ局fm yokohamaの番組「Future Scape」に出演しました。
その様子を写真等でお伝えします。

番組DJは放送作家・脚本家の小山薫堂さんと、ラジオDJの柳井麻希さん
放送後に、記念写真を。

FutureScape出演写真

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