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共同作業のバランス

 共同作業をするときには、お互いの意見を尊重し合うことも必要であると思う一方で、誤りは誤りとしてはっきり言うことも大切であるとは思う。
ただ、小さなこと(と思われること)で、こだわり続けるのもどうかと思う。
 共同作業をするときに、お互いの関係が対等の場合とそうでない場合がある。例えば、原稿の執筆者と校正者の関係は、共同作業者ではあるが対等ではないだろう。
あくまでも執筆者の意見が主でそれをサポートするのが校正者ではないだろうか。その一つとして、小説家とその校正者を思い浮かべてみると、校正者が意見を強く言い、小説家の考えている展開を変えてしまっては、「出すぎた振る舞い」であろう。
 さて、数学の原稿を書く場合も、校正者が強く注文してくる場合がある。
 私が過去に受けた「校正者が譲らなかった注文」は次のようなものがある。これらについては私は校正者の気持ちは理解できる。が、その通りにするかどうかはこちらにも別の考えがあるので別である。皆さんはどうするだろうか。

[例 1]  「(a+b+c)^2 =a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca」
 これに対する校正者の意見
     「(a+b+c)^2 =a^2+b^2+c^2+2bc+2ca+2ab」

[例 2] 数列の漸化式の問題で,
  「a_(n+1)-1 = 3(a_n -1) となるから a_n -1=(a_1 -1)・3^(n-1)」
 これに対する校正者の意見
  「a_(n+1)-1 = 3(a_n -1) となるから a_n -1=3^(n-1) (a_1 -1)

[例 3] 「2 次不等式 x^2 >1 の解は x<-1, x>1」
 これに対する校正者の意見
   「2 次不等式 x^2 >1 の解は x< -1, 1< x」
   

This entry was posted on 土曜日, 10月 8th, 2011 at 11:25 PM and is filed under 教育, 数学. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can leave a response, or trackback from your own site.

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