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共通テスト(2020年度から実施予定)の実施に関する問題点

 すでにご存じの方も多いと思われますが、2020 年度から現センター試験を廃止し、新たに共通テストが実施されます。どのように変わるかは、すでに多くのサイトでも議論されておりますように問題のある点およびその反論が出ております。

 さて、先日、私のところにこのような問題は議論されているのか、という問い合わせがありましたので報告するとともに、この場だけではなく社会的に発信していくことを期待します。概要は障害のある高校生に対して危惧されたものです。障害をもつ高校生がこれまで通り受験できるのかということと、そのための申請は万全かという内容です。以下、いただいた原文をそのまま載せます。

【原文】

すでに申込開始しております民間英語試験の新英検について、以下の観点で受験生から悲鳴が上がっております。つきましては「障害のある受験生に対する合理的配慮」について、検討俎上に上げて頂けますようお願い申し上げます。

◆申込期間の短い点

センター試験では出願期間前の約2か月間に配慮申請期間を設けているのに対し、新英検の配慮申請は、申込と同時で申込期間が約3週間しかありません。(2019年9月18日~2019年10月7日)

慢性疾患で大病院を定期受診している場合、外来受診は1~2カ月に1回である上、受診して診断書依頼後、診断書受領までに3週間程度かかります(都立病院の場合)

さらに今回は、申込期間は7月5日の時点でも不明瞭、配慮申請の方法も8月23日まで不明瞭、具体的に申請方法を把握できたのは9月18日(申込開始時)で、申込期間前に情報が十分揃っていませんでした。

したがって、申込期間3週間では、迅速に対応しても、配慮のための診断書受領が間に合わない受験生が出てきます。これは障害者差別解消法の合理的配慮に抵触していると認識しております。

◆配慮事項がわかりにくい点

センター試験では障害の項目毎に、配慮事項ならびに申請フォーマットが用意されているので、たとえば病弱という項目で、どのような配慮を申請できるかは明確になっています。別室申請も専用フォーマットが用意されており、明示的に申請する形になります。

一方、新英検ではこの点が明瞭ではなく、たとえば上記の病弱の場合に、一人一人のケースにおいて別室申請できるかどうかが不明瞭です。

ここで問題となるのは、新英検では別室の場合、S-interviewという別試験です。

すなわち、条件が不明瞭な状況下で、S-CBTあるいはSinterviewを選択するようを求められており、こちらも障害者差別解消法の合理的配慮に抵触していると考えられます。

上記のように、現在ご提示頂いている英語民間試験の新英検は法律に抵触した状態であると考えられます。また仮に今後修正することになったとしても、修正内容の周知期間が不十分となりますので、情報のアクセシビリティの観点で問題となります。(受験生は現時点ですでに、どの情報が正しいのか、と困惑しています) したがいまして、私共といたしましては、2020年度の英語民間試験実施については、ストップして頂きたいと考えております。ご展開どうかよろしくお願い申し上げます。

(原文終わり)
私には判断がつかない面もありますが、問題があるというのであれば、この点も含めて共通テストの実施のための議論がなされるとよいと思っています。



This entry was posted on 土曜日, 9月 28th, 2019 at 8:58 午前 and is filed under 教育. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can leave a response, or trackback from your own site.

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