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計算革命読者に向けて

 本書は, 計算力のある人が普通に行なっていることを説明しそれを鍛えるためのものです。中には, 計算の手法が目新しく感じる人もいますが, それはそれでよいのですが, そこがこの本の主目的ではありません。あくまでも計算を正確に手早く行うための訓練のための書籍です。
 計算力は, 好不調の差が少なく, しっかりした計算力を身に付けていれば, 本番で緊張状態になったとしてもそれなりの成果は出してくれます。また, 練習をすれば程度の差はあれ確実に前進します。

Q.1 26 週もあるので時間的に終わりそうもないのでどうしたらよいですか
A.1 本書は 4 部構成(実際は第 3 部までと付録) になっておりますが, そのうち数学 IAIIB までの必須事項は第 1 部の 12 週までであり, 数学 III は第 2 部の 13 ~ 18 週までです。したがって,

 数学 IAIIB までであれば, 最低 12 週
 数学 III までであれば最低 18 週

かかる計算です。
 第 3 部はそれが終えた人のためのもので, より力を鍛えるためのもので, 第 4 部である付録は追加編で時間が余った人のものです。
 もともと, 前の版では 13 週分しかなかったので, 読者から「すでに 13 週分やり終えたのですが, 残りの時間はどうしたらよいですか」という質問が多かったために設けたのが付録です。
 なお, 受験まで 18 週を切ってからこの本を手に入れた人は,

  • 「1 日に各章の 2 日分ずつ消化する」は N.G.
  • 「複数の章を同時並行的に進める」はO.K.

です。各章は 7 日かけて行うようにしましょう。7 日かけて体に染みつけるのです。受験まで残り 12 週しかない場合は, 第 1 章と第 2 章を最初から同時に進めます。そうすると最初の 6 週は 2 章分消化し, 後半の 6 章は 1 章ずつ進みます。
 逆に, 受験までまだ時間がある人は次のように進めるとよいでしょう。

  • まず, 第 26 章までを一通り行う。(これは第 18 章まででもよい)
  • 残った週は, それまでの中からできの悪いものを選んで行う。1 回目と少し間隔をあけてからの開始でもよい.

とします。ここで大切なのは, 最終的に終わるのを受験に合わせるということです。大学受験の日から逆算して進めるようにします。計算練習はやめると落ちていきますので, 最終週に終わるように始めます。

Q.2 この本で計算に関する受験テクニックが身に付きますか
A.2 多少は身に付くかと思います。しかし, 前書きでも説明してあるように, 本書の目的は「受験テクニック」を身に付けるためではありません。「受験テクニック」が身に付くとすれば, それは副産物だと考えてください。あくまでも素早く正確に計算ができるようになるためのものです。
 前書きにもあるように, 例えば, 15×8 を計算するのに小学校低学年の児童が行うような縦書き計算をする受験生はほとんど皆無でしょう。それは, 慣れた人がその人なりの計算を行うからです。高校数学の計算も「慣れた人の計算」を(可能ならば)してもらいたいと考えています。
 例えば, この本の第 17 回には「瞬間部分積分」という章があります。「瞬間部分積分」という名称は私のオリジナルではなく, 一部の受験の世界で通じる名称にすぎません。この章では, これを行なうことは「頭の中での暗記力が必要」と考えて, 本書の目的にあうので載せてあるのです。ところが, これを「受験テクニックを売りにしている」と思われる人, それは生徒のみならず「瞬間部分積分を知らなかった数学の指導者」にもいて, その中には, 「瞬間部分積分」が輝かしい受験テクニックに見えるのかもしれません。「瞬間部分積分」は受験テクニックなどではなく, 日常の行なわれる普通の計算にすぎません。
 よく, 授業なので「外積」という言葉を発すると, とても嬉しそうな表情をする人たちがいますが, 「外積」という言葉を耳にして興奮しすぎる症状を「外積病」といいます。受験生の中にも, 高校数学の指導者にも「外積病」の人たちはいます。この本の読者は「外積病」にかからずに淡々とこなしてもらえばよいと思います。

Q.3 制限時間内に終わることはないのですが
A.3 本書の制限時間は, 計算にかなり慣れた受験生の時間として設定しました。ですので, この時間内に終わる人は計算に関しては最先端の人です。実際には, 制限時間の 2 倍程度かかってもかまいません。ただし, 3 倍以上はかかりすぎです。

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This entry was posted on 木曜日, 4月 7th, 2016 at 1:05 PM and is filed under 「計算革命」, 著作物. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can leave a response, or trackback from your own site.

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