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計算のエチュード 基礎編 1 (解答編)


まず, 解答を記します。その後でこの問題の出題意図と人によっては反省材料をお知らせします。
 
【問題 A – 1 】の解答です。
 
(1) \( (x^{2}+3x)^{2}+5x^{2}+15x-14=(x^{2}+3x)^{2}+5(x^{2}+3x)-14\)
        \( =\{(x^{2}+3x)+7\}\{(x^{2}+3x)-2\} \)
        \(=(x^{2}+3x+7)(x^{2}+3x-2)\)
 
(2) \(f(x)=-\left(\displaystyle\frac{1}{\,x\,}-\frac{1}{\,2\,}\right)^{2}+\displaystyle\frac{1}{\,4\,}\)
 
となるから, \(f(x)\) は \( x=2\) のとき最大値
    \( \displaystyle\frac{1}{\,4\,}\)
をとる。
 
(3) 与えられた方程式は,
 
     \( (x+2)+3\sqrt[3]{x+2}-4=0 \)
 
となる。\( \sqrt[3]{x+2}=X\) とおくとこれは,
 
     \( X^{3}+3X-4=0\)

となるから, これを実数の範囲で解くと,
 
     \( (X-1)(X^{2}+X+4)=0 \)
 
ここで, 2 次方程式 \( X^{2}+X+4=0\) は \( (判別式)=1^{2}-4\cdot 4=-15\lt 0\) より実数解をもたない。よって, \( X=1\) のときの
 
     \(\sqrt[3]{x+2}=1\)
     ∴ \( x=-1\)
 
が与えられた方程式の実数解である。

【解説】
 今回は, 「数式を塊で見ることができるか」あるいは「数式の構造をとらえられることができるか」というのがテーマです。数式を最初に見たときにどのような構造をしているかを早い段階で把握できるかどうかが問われています。
 計算力が弱い人には,
 
       展開癖

が多いという特徴があります。これは, 数式を見るととりあえず展開してしまう悪い癖です。数式は展開することで特徴が見えにくくなり, またその後の収拾がつかなくなることもよくあります。もちろん展開しなければ先に進まないことも多くありますが, むやみに展開すればよいというわけではありません。数式を展開する前にすることがあるということです。

(1) では、\( (x^{2}+3x)^{2}\) を展開してしまった人は要注意です。その後に続く \(+5x^{2}+15x\) を見て, この部分を \(+5(x^{2}+3x)\) とすることが気がつくべきでしょう。
 
(2) では, \(f(x)\) が \(□-□^{2}\) の形をしていることに気がついてもらいたいと思います。その後の作業は平方完成です。
 
(3) は \( \sqrt[3]{x+2}\) があることによって, \(x=(x+2)-2\) と見て, \( x+2=(\sqrt[3]{x+2})^{3}\) ととらえたい問題です。もちろん \(\sqrt[3]{x+2}=-x+2\) と変形して両辺を 3 乗する方法もあります。

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This entry was posted on 月曜日, 12月 7th, 2015 at 12:30 AM and is filed under 計算のエチュード. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can leave a response, or trackback from your own site.

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