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困った先生

すでに twitter 上でも紹介したのですが、ある小学校でこんなやりとりがあったそうです。http://okwave.jp/qa/q5273339.html
話の要点は、ある小学校で先生が 3cm, 3cm, 6cm の長さの三角形を作図せよという問題を出して、その授業を受けていた小学生が「描けません」といったところ、
「確かに、中学、高校では描けないことになっているが、小学校の算数では線分の太さなどの誤差を考えれば描けることになっている!」
と言って、その先生は一歩も後には引かないということなのです。
まあ、この先生に対する非難はここの掲示板に書かれてあるとおりだと思います。
あえて加えるとすれば、

  • 「普通」は描けない条件の問題を、太さを考慮すれば書けるとしたことにどのような教育的な配慮があるのか。
  • この授業を受けた生徒達が、将来「三辺が 3cm、3cm、6cm の三角形が描ける」と信じたことが原因で、試験などで落とされたり、恥ずかしい目に会ったとすれば、それは自分のせいだとは思わないのか。

ということもこの先生に聞いてみたい感じがします。おなじ教育者として。
実は、私も以前、あるところでこのような先生を見たことがありますが、このようなパターンの場合、自分は「間違っていない」、「こう捉えれば自分の答も正しい」、「数学の解答は一つではない」、「1+1 だって 3 だというときがあるではないか」などと言って、意固地になってしまいます。そして、このような先生は相手が根負けするのを待っている感じです。根負けせずに、こてんぱんに論破すると今度は逆恨みをされます。
私が考える先生の「最低限」の条件とは、

  • その教科の十分な知識をもっていること
  • 間違えた場合は、それを放置せずに、必ず修正すること

です。予備校、塾の講師の場合はさらに

  • 休まないこと。授業に遅れないこと。

が追加されます。もちろん、大学、高校などの教員の方にも最後の条件は大切ですが、予備校、塾の先生の場合は「間違ったことを教えない」と同レベルくらい大切なことなのです。
さて、塾であれば、場合によってはこのような先生に関わらない方法があることもありますが、今回の掲示板のように担任の先生だとどうしようもないですね。ただ、今は web 上などで多くの人に聞くことができますから、心配なことがあれば迷わず聞くのがよいでしょう。私も、お助けできればしてみたいとは思っています。

This entry was posted on 木曜日, 9月 30th, 2010 at 12:00 AM and is filed under 教育, 数学. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can leave a response, or trackback from your own site.

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